疾患概要
乳児湿疹は、生後数週間から4ヶ月の赤ちゃんによく見られる、赤みやかゆみ・発疹を伴う皮膚疾患の総称です。主に頭や顔を中心にできやすく、正しくスキンケアを行えば、多くの場合自然に治るのが特徴です。

症状
生後数週間から4ヶ月の乳児期によくみられるもので、かゆみ、刺激や痛みを伴うこともあれば、無症状のこともあります。特に生後1か月から半年は皮脂分泌が活発になるため症状が出やすくなりますが、その後は自然に治まっていくことが多いです。

原因
赤ちゃんの肌の新陳代謝が早いことや、母親からのホルモンの影響のほか、おむつ・よだれ、あせも、ウイルス感染などにより引き起こされます。乳痂(にゅうか)と呼ばれる、母親の胎内にいたときのホルモンの影響により、皮脂分泌が盛んになる特有の症状が生後2~4か月の頃見られます。その後、ホルモンの働きが弱まり、急激に乾燥が進むため、乾燥に気を付ける必要があります。

対処法
日ごろのスキンケアを徹底してあげましょう。赤ちゃんの皮膚を常に清潔な状態に保ち、刺激の少ない保湿剤、洗浄剤を用いて適切な肌のケアを行うようにします。保湿をする際は、全身にたっぷりとワセリンやベビーローションなどの保湿剤を塗って、乾燥や刺激から赤ちゃんを守ります。
入浴の際は、なるべく素手で洗いましょう。また、お湯だけで洗うと汚れを落とすことができないため、ベビー用の石鹸で十分に泡立てて優しく洗います。赤ちゃんは体温調節が上手くできないことで湿疹が生じることもあります。小さなお子さんがいるご家庭では適切な温度と湿度の管理が推奨されます。

早急な受診が必要な場合
通常は適切なケアをすることで、生後3〜4か月頃に改善するとされています。しかしながら、「身体をかきむしるほどの強いかゆみがある」、「腫れている」、「何度も繰り返す」などの症状がある場合、早めに医療機を受診しましょう。

生活アドバイス
乳児湿疹は多くの乳幼児に見られる症状です。赤ちゃんは大人の肌よりも薄く、バリア機能も未発達なため、皮膚トラブルが発生しやすいです。親が赤ちゃんの肌の変化に気を配り、必要に応じて医療の助言を求めることが重要です。