疾患概要
副鼻腔とは、鼻の周囲の骨にある空洞をさします。この部位がかぜをひいたりアレルギーなどにより炎症を引き起こし、鼻腔に溜まった膿(うみ)や粘液が排泄されにくくなる病気を急性副鼻腔炎といいます。
急性副鼻腔炎が治らずに長引いたものを慢性副鼻腔炎といいます。また、慢性副鼻腔炎を蓄膿症と呼んだりもします。小児と成人、急性と慢性で治療方針が異なり、病態もさまざまです。
原因
かぜなどの感染症、花粉症などのアレルギーにより副鼻腔に炎症が生じることで引き起こされます。
症状
急性副鼻腔炎の主な症状は
鼻詰まり・黄色の鼻汁(はなじる)・鼻の中の異臭・においが分かりずらい・鼻水が喉に落ちる(後鼻漏:こうびろう)・顔面の痛み・頭痛・発熱など多様です。
鼻の周辺に限らず、症状の進行により顔全体に痛みが広がることがあります。歯の炎症から副鼻腔炎が引き起こされることもあります。
診断
患者さんの自覚症状を問診し、鼻の内部の観察、レントゲンやCTなどによる検査で診断します。
治療
急性副鼻腔炎の治療法は、薬物療法と局所治療に分けられます。薬物療法は、抗菌薬や炎症を抑える点鼻薬、アレルギーを抑える薬などが処方されます。小児か大人によって投与する薬物や量が異なります。
局所治療は、来院時に行う処置になります。副鼻腔をきれいにしたり、薬剤を用いて副鼻腔の分泌物の排泄や換気をよくする処置を行ったり、吸入器で抗菌薬やステロイド薬などの霧状の薬剤を吸いこむなどの処置を行います。
慢性副鼻腔炎の場合、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与:マクロライド療法が効果的です。
生活アドバイス
かぜと同様に普段から感染予防をすることが大切です。マスク着用や手洗い、うがい、せきエチケットに努めましょう。
生理食塩水を使った鼻うがいも効果的と言われています。単なるかぜによる鼻づまりを放置しておくと、副鼻腔炎を発症する恐れがあります。
とくに小さなお子様が風邪を引いた際に、いつも以上に機嫌が悪いときは鼻や耳の感染症を思い浮かべることが大切です。
次のような症状にお悩みの方はご相談ください。
症状に関する関連用語も記載しております。
(クリックで内容が表示されます)
症状として、
くしゃみが止まらない、鼻水が透明でサラサラしている、鼻がつまって息がしにくい、朝に症状がひどくなる、目がかゆくてたまらない、鼻の奥がムズムズする、鼻水が喉に流れる感じがする、においが分からない、口でしか息ができない、鼻声になっている、眠りが浅くなっている、集中力が落ちている、鼻をかみすぎて痛い、鼻血が出やすくなっている、咳が長引いている、目が赤くなっている、耳がかゆく感じる、喉がかゆく感じる、季節の変わり目に症状が出る、空気清浄機を使っているのに症状が出る、
が出るなどがあります。
症状に関する関連用語として、
アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、花粉症、ハウスダストアレルギー、ダニアレルギー、スギ花粉症、鼻過敏症、アレルゲン、アレルギー検査、抗ヒスタミン薬、点鼻薬、内服薬、ステロイド点鼻薬、舌下免疫療法、レーザー治療、生活環境改善、アレルギー対策グッズ、マスク着用、空気清浄機使用、鼻洗浄
等があります。